ノルウェイの森について

去年のクリスマスに読み終わったのに、読み終わった後のモヤモヤ感ってのが未だに残ってて、夜寝る前とか風呂に入ってるときとか、一人でボーっとできるときに、ぐるぐると主人公のワタナベの周囲のことについて考えると、キリがない。
まず突撃隊についてなんだが、学校に来なくなったのは、たぶん、病院に入れられたか、自殺したかなんだろう。いなくなるまえに蛍をくれたのが印象的だった。また、ワタナベの会話のいいネタにされ、本編中でいらなくなったらフェードアウトさせられるあたり、扱いが都合よすぎてかわいそうだった。
そして、不覚にも物語の最後、レイコさんとワタナベが寝たときの描写には、マジで興奮してしまった。作品中のどの濡れ場にも反応しなかったんだが、ここだけなぜか反応してしまった。なんだか生々しくてとても良かった。なぜなんだろう、直子の手コキにはいっさい反応しなかったのに。
最後にワタナベがミドリとレイコを選んだことには安心して涙が出そうになった。んでまた最初っから読んでみたら、直子はワタナベのことを愛していなかったというくだりを思い出した。直子はワタナベと初めて寝たこと、寝たときに濡れたことを後悔しているようにみえる。多分、直子は死を選ぶことによってキズキとの絆を確かなものにしたんだと思う。それはワタナベを愛していないことへの証明にもなった。ワタナベにとってそれはとても悲しいことだったんだと思う。それでもワタナベは生きることを選んだ。
でも、レイコさんはどうかわからない。ワタナベと寝たことでいったんは生きることを選択しているが、将来、もしかしたら旭川で自殺することを選ぶんじゃないかと思い、悲しくなった。文章はあっさりと読ませてくれるんだが、物語は奥が深すぎていくら考えても終わりがなくて夜もなかなか眠れない。